
子どもには十分な睡眠が大切だと分かっていても、仕事や家事に追われると早く寝かせることが難しい日もあります。
睡眠学者、子育て中のタレント、家族社会学者の意見から、家庭だけに負担を集中させない子どもの睡眠について考えます。(※2026年5月9日の朝日新聞の記事を参考にしています)
子どもに必要な睡眠時間を知る
睡眠学者の柳沢正史さんによると、世界で使われる小児科学の教科書では、3歳で約12時間、小学校低学年で約10時間の睡眠が必要とされています。
一方、日本では幼児でも3~4人に1人が午後10時以降に就寝しているという調査があります。
睡眠中には成長ホルモンが分泌され、十分に眠ることは認知機能や感情のコントロールとも関係していることが分かってきました。
「早く寝かせなければ」と考えると親として焦ってしまいますが、まず30分早めるなど、できる範囲から始めるという考え方なら取り入れやすそうです。
親の努力だけでは解決できない事情もある
タレントのSHELLYさんは、子どもの就寝時間から逆算して夕食を早めるなど、睡眠を優先した生活を続けてきました。
帰宅が遅くなるときには、保育園のお迎えや夜のルーチンをベビーシッターに依頼した経験もあるそうです。
仕事をしている家庭では、「子どもを早く寝かせたい」と思っていても、残業やお迎え、食事、お風呂などを考えると難しい日があります。
そんなとき、ベビーシッターなど家族以外の力を借りられる選択肢があることは、親だけでなく子どもの生活リズムを守る助けにもなるのだと感じます。
「良い親でいなければ」と抱え込まない
SHELLYさんは、子どもの睡眠について親が責められ、罪悪感を抱くような社会には課題があると指摘しています。
家族社会学者の石井クンツ昌子さんも、共働き家庭が増える中、食事や入浴だけでなく、献立や日用品の管理といった「名もなき家事」があり、寝かしつけが遅くなる背景にも目を向けています。
子育てをしていると、「何時までに寝かせる」「毎日きちんとやる」と理想を高く設定してしまうことがあります。
けれど、家庭によって働き方も子どもの個性も違う以上、一つの生活スタイルだけを正解にするのは難しいのではないでしょうか。
子どもが眠れる環境をみんなでつくる
柳沢さんは寝る前の強い光を避けることを勧め、石井さんは睡眠不足につながるほどのデジタル機器の使用には注意が必要だとしています。
家庭で工夫できることがある一方、長時間労働や働き方を含め、社会全体で考える必要があるというのが3人に共通する視点です。
保育園やベビーシッターなどの子育て支援を上手に利用し、家族だけですべてを背負わないことも選択肢でしょう。
「子どもを寝かせるのは親の責任」で終わらせず、子どもが安心して眠れる生活を周囲も一緒に支える社会になってほしいと思います。























